手紙は憶えている (2015)

文字数 581文字

【下品な宣伝にも負けない完成度】 2016/11/8



衝撃のラスト、みんな思い切り騙される
…などの過激な口上が載せられたポスターが劇場入り口に貼っている。
品格を犠牲にしたプロモーション、これもグローバルの流れなのか、
長期の不景気から来る気の迷いなのか?

せっかくの緻密なサスペンスも、高齢の俳優たちの熱演も これでは報われません。
とはいえ、
主催者自らが事前にネタバレしてでも観てもらいたい完成度の高いシネマであることは事実。
シネマでは、随所にネタバレの元をまき散らしながら、
クライマックスに向かってまっすぐに進んでいく。
目玉の「ドンデンガエシ」が、本作のコアでありデーテイルであるからして、
めったな素人評論は差し控える。
これだけ意味深長なことを云っておいてなんだけど、
まずは本作を観ていただきたい、それも素直な気落ちで予断を持たないで。

主演のクリストファー・プラマーさんとは「サウンド・オブ・ミュージック」の
トラップ大佐で初めてお会いした。
ミュージカルなのに、ナチの恐怖が背景に流れていたのが印象に深かった。
そして50年後に、取り組んだのが生きている最後のナチ戦犯物語、
ぎりぎり崖っぷちの挑戦だった。

ナチシネマお約束のブルーノ・ガンツさんも出演している。
シネマ製作者のあくなきナチ糾弾の心意気が感じられた。

まずは観てみること、論理的にも納得できるどんでん返しだった。

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