空飛ぶタイヤ (2018) 

文字数 498文字

【(まるで)AS HE IS の男優たちがクール】  2018/6/16



恐れ多くも役者を生業としている方に、「AS HE IS」は不適切だとは判っている。
でも、本作の超目玉のお三方、長瀬さん、フジオカさん、高橋さんがあまりにも
はまり役だったので、ふとそう思ってしまった。

そういう点においては、意外性のないシネマだった。
原作の9回裏逆転サヨナラパターンもそうだし、魅力的敵役もしかり。
そのあたり本木監督は肩に力を入れず、
チャチャチャっとお三方の特徴を損なうことなくまとめている。
近年好調の本木監督らしい手際よさだった。

だからと云って、物足りないということはない。
物語はフィクションだとしても、僕には現実がスクリーンの裏側に透けて見えた。
ホープ自動車と言っても、これはM自動車であり、M財閥のこと。
M重工の虎の威を借りたコンプライアンス欠如の企業体質を揶揄される。
いや、実際にN自動社にマージされる悲劇まで描かれる始末だった。

日本製品の品質それを作る日本企業の凋落は今も続く。
本シネマを痛快な逆転ドラマとして単純に観ていることができなかった。
望むべくは、このシネマが何かの教訓になってくれることを。
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