帰ってきたヒトラー (2015) 

文字数 519文字

【ドイツのユーモアは壮絶です】 2016/6/17



原作より強烈な印象を受けたのは、やっぱり映像というツールなのか。
いや、まさに現在のドイツの混沌と闇をドキュメンタリータッチで表現していたからだろう。

タイムスリップして現代によみがえったヒトラーがコメディアンとしてテレビに登場する。
テレビほど優れたプロパガンダメディアは他にないと瞬時に悟るヒトラー。
インターネットで70年間の空白を埋め、知識を収集するヒトラー。
ドイツ国民性は70年前と変わらぬと独断するヒトラー。
その言動の現実との微妙なずれがコメディアンとして一層の人気を高める。

この間のドイツ国内政治行脚の様子は、
あたかも実際にインタビューしてるかのような設定にしている。
僕はまるで本当にヒトラーが還ってきたような錯覚を覚えてしまった。

無論、反ナチ法に関わることのないのは原作と同じ。
これは壮絶な警告シネマだった。
国民が自分と同じ考えだったから自分を選んだという、至極まっとうなヒトラー。

過去のホロコーストの罪をどこまで償わなければいけないのかという国民。
今 移民問題でEUをリードして移民受け入れをする政府と、不満を抱える国民の本音。

ヒトラーがいみじくもほくそ笑む、「あの時と同じだ」


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