ダンスウィズミー (2019)

文字数 652文字

【日本製でもやるじゃないっ!】 2019/8/20



ハリウッド・ミュージカルにも新しい波があるように、日本製ミュージカルも変わりつつあるのか、感慨深い。
本作は アチャラカミュージカル、新旧のミュージカルスターの競演がこれまた感慨深い。
すべての音楽に反応して歌う踊ってしまう催眠をかけられた普通のOLを三吉彩花さんが演じる、若干23歳。
そのインチキ臭い催眠術師、これが歌って踊るのだが演じるのは宝田明さん、御年85歳。
僕はこのお二人を見ることができただけで本シネマを高く評価したい。
宝田さん起用や、楽曲選定から見ると高齢者向けシネマなのかもしれない。

物語はミュージカル嫌悪症のOLが、突然歌い踊り出す皮肉なスプラスティックが全編のテーマになっている。
プレゼン中、ディナーの最中、喧嘩の真っただ中、夜の公園で・・・・時と所をかまわずミュージカルになる。
ミュージカルを揶揄しながら敬意を表して物語を綴る、なかなかできることではない。
ミュージカルにトラウマを持つOLの起死回生の逆転劇は、小細工なしの優しさにあふれた展開、これぞミュージカルだった。

「舞子はレディ」のような祇園の醸し出す派手さは無い、敢えて東北・北海道へロードムーヴィーになっている、
一見ドサ回りのミュージカルを狙ったローカル志向のしたたかさには僕は好感を持った。

ハッとするような新鮮なミュージカルシーンもあれば、
悲惨なコピーシーンもあった。
すべては俳優さんたちの力次第、
もっともっと歌と踊りの地力をつけ
和製ミュージカル発展を推進していただきたい。
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