007/ノー・タイム・トゥ・ダイ (2020)

文字数 790文字

【ダニエル・ボンド 美しい終幕でした】 2021/10/1



007ジェームス・ボンド・シリーズと出逢ったのは中学一年のとき、あれからもう60年近くになると思うと感慨深い。
現在の007シリーズを担うダニエル・クレイグが2006年颯爽と登場した時、間違いなく新しいジェームス・ボンドが誕生したと思ったものだ。
あれからまた15年もの時間が経った、ダニエル・ボンド・シリーズも5作、
俳優ダニエルも渋さ以上に加齢の面影が強くなってきた。
それでも、007ジェームス・ボンドは語り継がれなければいけない。

ダニエル・ボンドシリーズの大きな特徴はボンドの人間味に寄り添った、寄り添い通したとこだろう。
シリーズ5作は、だからダニエル・ボンド物語でもあった。
彼の数奇な生い立ちと少年時代の秘密、Mとの親密な関係、そして女性を心底愛してしまう男、冷酷無比なスパイではなかった。
それはシリーズ敵役にも言える、マッツ・ミケルセンから始まりハビエル・バルデム、クリストフ・ヴァルツそして今作ではラミ・マレック、
なんとも個性の強い悪役たちだったが、彼らは世界の平和と命を脅かす悪のみならず、ボンドと個人的な接点を持ち複雑な愛憎すら滲ませていたのだった。

60年前の「007は殺しの番号」から比べると面倒くさいスパイになってしまったボンドだが、僕は本シリーズが目指すボンドが好みだ。
本作では、実はボンドは退職していて、女性の007がすでにそのあとを埋めている、いまどきで愉快な設定だ。
そんなボンドが、引退を撤回してまで任務を遂行する危機、そこにまたもや家族問題が絡む。
昔懐かしい大掛かりな悪の基地も登場したり、流行りのジョン・ウィック仕様ガンアクションもあったりして、シネマを愉しむ方法は限りなかった。

なんといっても、エンディングモノローグが決まっていた
・・・「ボンド、ジェームス・ボンドという人がいた」、
泣けてきた。
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