パピヨン (2017)  

文字数 880文字

【結局は ラミ・マレックのため】  2019/6/25



本作は往年(1973年)の話題作リメイク、
スティーブ・マックイーンとダスティン・ホフマンの競演がその時は奇跡と言われた。
しかし、シネマの内容は飽くことない脱獄物語、
いくら大脱走でスターになったマックィーンと言えどもそこに華を見ることがなかったことを覚えている。
お二人ともキャリア絶頂期での話題作・・・との触れ込みだった、
実際はアクションのスティーブ、演技のダスティンにきっちり分かれていた記憶がある。
特に、お二人が劣悪な徒刑場生活で体がボロボロになるなどの、
リアルさが新鮮だったが、完全無欠のヒーロー物語ではなかった。

で、なぜ今になって リメイクだったのか?
本作製作と同じ2017年、パピヨンを演じたチャーリ・ハナムは
「キング・アーサー」で話題になり、失敗した(と僕は思っている)。
その2017年のシネマなのだ、このリメイク「パピオン」は。
そして、2018年 パピオンの相棒を演じたラミ・マレックがアカデミー賞を獲得する、
「ボヘミアンラプソディー」で。
予想外だったのは、日本でのクィーン人気の復活、興行成績も予想外だったことだろう。

そして、本シネマ。

リメイク「パピオン」はキャスティングから見ると、オリジナルとは大きな格差がある。
リメイクの肝は、素材の払底に違いない。
チャーリー・ハナムのための一本として半世紀前の名作が選ばれたのか?

さて、内容はというと、パピオンの実話は今でも十分に通用することが分かった。
無実の罪だから脱獄する不屈の精神に誰もNOとはいないのだから。

しかし、なぜ今公開されるのか、それも少数のシネコンにおいて?
僕は、「ボヘミアンラプソディー」の二匹目のドジョウを思わずにはいられなかった。
ラミ・マレックをみたいファンがいるはず、だがクィーンファンと重なるのか?
悩ましい決断だったことだろう。
なんだか、配給会社の魂胆が見えてくるではないか。

僕はといえば、以前からのマレックファン、マレックを観にシネコンに参上した。
マレックは堂々とダスティンに挑戦していた、これからも期待していいと思った。
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