海難1890 (2015)

文字数 504文字

【二種類の日本人】 2015/12/6



1985年テヘラン空港で、我が身を嘆くだけの日本人が、
遥か125年前には我が身を賭して見ず知らずの外国人を救った日本人がいた。
さて、現代の日本人は、どちらなのだろうか。

物語には偉大なヒーロが描かれている。
まず、私財 というよりも命を差し出してトルコ海軍の難破者を救った貧乏な串本の漁村民たち。
そして、テヘランに取り残された日本人に飛行機の席を譲った、トルコの普通の人たち。
両国の人びとは、政府から援助があったわけでも強制されたわけでもない。
そこに、救いを求める人がいて、自分たちしかできないのであれば、手を差し伸べるのが当然だと考えたヒーロたちだった。

今、今瞬間にもトルコとロシアの抗争が頂点に到達するかもしれない、シリア・IS問題の真っただ中でこのシネマを観る。
エンディングロールの後に、エルドアン・トルコ大統領の演説がある。
つまるところ、このシネマはトルコ、またはエルドアン大統領の広報シネマなんだろう。

しかし、僕は単純にトルコと日本の歴史的な友情物語として楽しむことにした。
そして・・・国益、宗教、安全保障問題を超えて、人間として果たす務めがあることを感じていた。
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