ゲティ家の身代金 (2017)

文字数 591文字

【クリストファー・プラマー 米寿の渾身】 2018/5/25



クリストファー・プラマー 88歳、
長い間トラップ大佐(サウンド オブ ミュージック)のイメージが僕には強かったが、このところの魂の役作りにとても感心している。
「手紙は覚えている(2015年)」や本シネマでの老人の実像に迫る演技はその集大成と受けとるほかない。

まして、ケビン・スペイシーの代役で集中的な追加撮影のなかでの演技と聞かされるとなおさらだった。リドリー・スコット監督の手腕が主役俳優交代撮影の中で称賛されていたが、クリストファー・プラマーの貢献を忘れてはいけない。
ケビンから代わったクリストファーのほうが適役だったしか思えない、この涸れ具合は今のクリストファーにしか表現できなかったろう。
ということで、孫ポール・ゲティ3世と嫁アビゲイルとの血の争いの中でひときわ守銭奴を極めてくれた。

もう一つ予期せぬお楽しみがある、それはイタリア・マフィアの実態。
誘拐は、偽ブランド製作と同じレベルのマフィアの生業だということ。
マフィアビジネスには、だからルールがある。
ポール・ゲティ1世がビジネスマンでありながら、その所を察知できなかったことからの大騒動。(成功したビジネスマンには政治的交渉はむつかしいのですよ、トランプさん。)
マフィアヒエラルキー、人質生活、犯人たちの日常が興味深かった。
これもシネマのありがたい特典である。
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