フラッグ・デイ 父を想う日 FLAG DAY (2021)

文字数 706文字



実話に基づいたシネマだと冒頭にクレジットが入る。
近年この手の作品が増えてきたように感じるのだが、これってシネマ業界の怠慢なのではないだろうか、オリジナルこそ命でしょ。
もっと意地悪な見方をすれば、このシネマは実話以上でも以下でもありませんので、悪しからず・・・という言い訳を最初に聞かされた気にもなる。

本シネマは、ジャーナリストで功成し遂げた原作者が生来の犯罪者気質の父親との深い愛情と強烈な別れを描いたものだが、僕はそんな事件など知る由もなく、実話にどう手が加えられたかも当然不明なので脚色されたストーリーの凡庸さをここで論うことはしない。
本シネマに関する僕の興味はショーン・ペン監督・主演と娘ディラン・ペンとの共演に尽きる。
本音は 怖いもの見たさにあると言ったら失礼かもしれない、犯罪気質の父親とそんな父に全幅の愛情を注ぐ娘、実在の父娘を実際の父娘が演じるという大胆な恥知らずな展開が果たして機能するものか?

ショ-ン・ペンは俳優の頂点に上り詰めた後、好きな作品にしか出ないようだ・・・と勝手に想像しているが、その実力は揺るぎなかった。
今作のようなダメ男は特に思い入れがあるのだろうか、とにかく上手いとしか言えない。
肝心の娘共演も、しっかりと娘に花を持たせている、さすがは父娘共演かつ監督業の賜物だった。

しかし、1980年代を意識した映像が見づらい、なによりも歯切れの悪い編集が父娘の熱度を思い切り下げてしまった。
ほとんど父娘のエピソードで構成される物語りだけにメリハリのついた映像にしてほしかった。
とはいえ、父娘のカットをいかに多く使うかという大前提があったのなら仕方のないことであるが。
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