震度0 (2007)

文字数 529文字

【大当たり】 2008/9/23



WOWOWならではの企画、WOWOWでしか実現できないシネマだった。
同じ横山さんの原作「クライマーズハイ」ほどのスケールはなく、
「半落ち」のような社会性も無い本原作の魅力は、毒いっぱいの人間模様だから。
横山ワールドは当然のように警察内部の不可侵部をさらけ出す。
今回はあっけらかんなまでに、地方警察中枢官僚の俗人ぶりを際立たせる。

こりゃ、劇場で上映するよりTV画面でお茶を濁すしかない。
僕もその意見に賛成する。

ありがたいことには、すばやいDVDリリースという恩恵がいまは目の前にある。
TVシネマだという先入観を捨てないまでも、掘り出し物探し感覚は持っていたい。
話題の原作を次から次へとドラマ化する安易な商業主義に疑問を感じながら、
一方ではこの活力に本音では感心している。

WOWOWならではの簡潔な脚本こそ真骨頂、
ならではのフレキシブルでタイムリーなキャスティング、
ならではのひとつ上質の撮影テクニック、
すべてが大当たりだった。

このシステムは当然、原作の当たりはずれが顕著だが、
シネマ本編も同じとすればチョイスが多い方がいい。

なんだか、、愉しみが増えてきそうだ、こんな快作を観てしまうと。
WOWOWFILMからは当分目が離せない。
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