サンシャイン・クリーニング (2008) 

文字数 584文字

【ファミリーポートレイト by サンシャイン】 2009/7/20



母親と娘の絆。
絆に欠けてしまった環を探し続ける姉妹二人の再生物語なんだろう。

その欠落を埋めるエピソードがエンディング近くで唐突に挿入される。
呆然とTVを眺める姉、涙をあふれさせる妹・・・
二人のファミリーポートレイトが完成する。

「ファミリーポートレイト」は桜庭一樹さん作品名からの借用だ。
もっとも桜庭氏の紡いだ「母娘のポートレート」の衝撃にくらべると、
本シネマはいささかインパクト不足であることは残念ながら否めない。
そう、
本シネマは由緒正しい「サンシャインブランド」、
悲惨な境遇から立ち上がファミリー・・・
がブランドイメージだ。

確かに、ブランドイメージは進化している。
生活の悲惨さに加えて復活手段であるニュ-ビジネスも思いっきりの汚れ仕事。
こんな職業もあるものか・・・と感心してしまう。

職業の貴賎を論じるつもりもないが、
幸せの条件はまず「キャッシュ」というのもアメリカらしい。
「悲惨と家族の絆」に新たに付け加えられたのがこの「マニー」。
綺麗事で済まさない「サンシャインブランド」が挑戦したこの試みは悪くない。

でもね、
母の亡霊から解き放たれ、
金儲けの算段も立ち、
疫病神の妹も去り、
それで姉は幸せになるのだろうか?

完全防護スーツ、ゴーグル、マスクを装着したファミリーたち、
その素顔がぼやけてよく見えなかった。

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