ゲット・アウト (2017)

文字数 455文字

【ビューティフル ブラック】 2017/10/30



おどろおどろしい音響効果にシンクロする何気ない平凡なカット
・・・古典的なスリーラーシネマだった。
そのベースにあるのは白人・黒人双方にわだかまる人種理解の格差だった。
黒人青年が白人の恋人の家庭に初めてお目見えする居心地の悪さから物語は始まる。

今時珍しい黒人召使がいる黒人擁護主義者一家の怪しさ?
その黒人召使の不信な行動、哀しい表情?
本当に、このリベラル一家は主人公を気に入っているのか?それとも・・・?

これが本シネマを貫く《謎》であり《恐怖》であるはずだったが、
作り手側に幾分戸惑いがあったようだ。
それはいま全米で再び巻き起こっている黒人差別に
真正面から向き合っていく根性の無さともいえる。
中盤以降は、ファンタジーとコメディの応援をもってして
この厄介な課題から逃げてしまった。

できれば開き直って、黒人賛歌に徹してもよかった。
圧倒的黒人褒め殺しで、その差別感を強調できたかも・・・。

それでも、
白人の屈折した差別意識は見事にスクリーン上にその匂いをまき散らしていた。

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