県庁の星  (2006)

文字数 492文字

【地方自治の危機】 2007/2/8



エリート男と下町の太陽娘、ボーイミーツガールの古典的展開を織田裕二と柴咲コウのスター路線で映像化するといわれても、どんな知的興奮に浸れるものだろうか??
と不審に思ったのは僕だけでは無いでしょう。
ストーリー自体は予想通りで、白馬の騎士が窮地を救うクライマックスに至るまでには、お決まりのスノブなお譲様との恋は実らず、心優しい市井のかわいい娘を見初めるのでした・・チャンチャン。

ところが、どうも様子が違う。
良家のお嬢さんは実はしっかり者で、出世しか考えない男として主人公は切り捨てられるし、出世競争に脱落した結果、バイト娘の美貌、色香に転ぶ間抜けな主人公なのである。
だから、エリー官僚ととして改革リベラル(風な)知事に再登用されるエンディングも、どこか危うい未来を暗示している。
改革などは単なるお題目・・・という冷めた見切りがシネマの裏側で流れていたのが、思いがけず痛快だった。

地方自治体のいかにも放漫な行政、2007年一気に噴出する地方自治の危機。
もしかして本シネマは地方自治体の危機を先取りした大胆な告発メッセージだったのか??・・・なわけないな?
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