ハンティング・パーティ (2007)

文字数 491文字

【Simple is beautiful】 2008/11/3


 
「目から鱗が落ちる」という思いがする。
日本人がよく自嘲気味に、諦め気味に語ることのひとつに、
「ボスニア問題はわれわれ島国民族には理解を超える、根が深い難問だ」
というのがある。

確かにそれは当を得ている。
当該問題にぶつかるたびに各種資料に首っ引きになって御浚いをし、
すぐに忘れてしまう・・・僕はこれの繰り返しをしている。
多民族間の軋轢、宗教の差異そして復讐の反復などはこの平和な日本住民にとっては、文字通り遠い国のお話でしかない。

本シネマの主人公ジャーナリストはシンプルだった。
いまだ責任を取らず逃亡している戦争犯罪人を追いつめ捕らえることでこの悲劇を精算しようとする。わかりやすい・・・いやこれこそ正義の原点なのだろう。
返す刀で、国連、NATO,CIAの画策を日向に晒し両断する。
主人公に個人的な怨念もあったとはいえ、ジャーナリスト魂の発露は気味よいものだ。
ともすれば政治的に物事を考えようとする自分には、このシネマの視点は貴重だった。

悪い奴らを安眠させてはいけない。
シンプルだからこそ真実に近く、シンプルゆえに美しい。
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