君の膵臓をたべたい (2017)

文字数 581文字

【小栗旬の膵臓をたべてください】 2017/7/28



タイトル(題名)にカタルシスが濃縮されたストーリーだけど、
映像化となるとひと工夫が必要だろうと心配していた。
そのリスク回避のため、脚本(吉田智子さん)は必須であった、
そして見事なエンディングの裁き方だった。
宣伝コピーが喋りすぎのフライング気味ではあるが、
うまくシネマ的なソリューションに成功していた。
本でも、シネマでも感動した。

そんな脚色の目玉は、小栗さん演じた原作にはない男子生徒の12年後の姿だった。
あくまでも学園ドラマ、青春の甘哀しさに執着しながら成長した男子生徒の
回想と後悔の思いが重たかった。

その小栗さん、人との交流が苦手な教師をシネマ冒頭の歩く姿で簡潔に表現する。
この俳優の計り知れない資質にまたまた驚くだけだった。

それもこれも、脚色のおかげである。
ただし、あまりにも小栗旬に頼り切ったシネマになってしまったというのも一方の事実だった。
本来の主人公高校生カップルをフレッシュな人材が熱演している。
12年後主人公カップル以外にも重要な追加キャスティングが生じてくる。
いずれも、観ている僕がちょっと照れ臭くなるような
薄っぺらいシーンが耐えられなかった。

若い俳優さんたちにはこれからの活躍と躍進を、
中堅俳優の方々にはもう少し上質の進化を、
そのためには、小栗旬さんの「膵臓」でも食べてみてはいかがだろうか?

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