シン・仮面ライダー (2023)

文字数 861文字

【世界の平和を守るため】 2023/3/27


「シン・ゴジラ(2016)」、「シン・ウルトラマン(2022)」・・と続いて、本作に繫がる「シン・シリーズ」系譜は単純な復刻シネマではなかったことから仮面ライダーもそうなのだろうと期待したが、ちょうどTVシリーズ放映時期は学生寮生活のためトピックスとしては知っていたものの、実際には観ていないというハンディがあり、「さて、どうしたものか?」と悩んでいたところに、某TV局でのメイキングドキュメント放映があるとの告知を知り、ドンと背中を押されての鑑賞となった次第だ。

「ゴジラ」は幼稚園・小学のころ映画で、「ウルトラマン」は高校のころTVでの記憶が残っていただけに,「シン」冠が付いたリブート作にも対応できたが、本シネマは前述のとおり初体験に近いものがあった。
とはいえ、これまでの「シン」2作も長いシリーズ物語、続編群を本編一本に濃縮した仕上がりだったので、初体験の不安は僅かだったのも事実だ。

「世界の平和を守るため・・・」というくだりがあるライダーテーマソングは今も覚えている。
しかしながらショッカーが世界の平和を脅かす映像は本シネマにはない、ゴジラや怪獣たちが町や建物をなぎ倒したのとは大きな違いだった。 TVシリーズもこうだったのかもしれないが、それもどうでもよかった。
バッタ、クモ、コウモリ、サソリ、ハチ、の本能を持つ改造人間たちと、同じ改造人間なのに彼らと戦う仮面ライダーの哀しみがテーマになっていた。
当事者たちも理解できていない理想のために殺し合う、現在の地球文明分断を思い出さずにはいられなかった。
デジタル情報でしか交信できない改造人間、暴力の前にちゃんと話をすればいいだけなのにね・・・と諭す自分がすでに分断の狭間に堕ちていることに気づかない。

誰かの仇のための暴力が日常化することの恐怖・無意味さを仮面ライダーから学ぶ、結局は世界の平和を守る「シン」仮面ライダーだった。

老婆心:
華麗かつパワフルだった森山未來さんのアクション、いいものを見せてもらった。
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