ボンジュール、アン (2016) 

文字数 587文字

【永遠に可憐なダイアン・レイン】 2017/7/12



とても素敵な写真を見せていただいた、
主人公アン(ダイアン・レイン)が趣味で撮る写真だ。
でも、本作はムーヴィー本編であってスティル写真集ではない。
無論シネマ部分も美しい南フランスの風景を切り取ってくれるが
如何せん観光ロードムーヴィーの域を超えることもなかった。

ヨーロッパに魅了される野暮なアメリカ人女性の旅というジャンルがあるのだろうか?
「旅情(1955)」のヴェネチアがその代表的古典シネマだが、
ダイアン・レインには「トスカーナの休日(2003)」という前歴がある。
本シネマはトスカーナをプロヴィンスに置き換えた
ヨーロッパコンプレックスシネマ(リメイク)のように思えて仕方がなかった。

ビジネス第一の旦那に満足している妻、
でも心のなかに溜まった澱を拭い去れないまま現状に甘んじる。
そんな時に南仏で出逢ったラテンの男、
つまりはヤンキー女はこの手の男とワインと料理に弱いということなのか。

コッポラ夫人監督とのことだけど、
これではまるでアンチフェミニズムなのかい・・・と思ってしまう。

ところがしっかり者のアンは決して現実を見誤ることはない。
ラストショットのあまりに美しいアンの素顔、男を操るヤンキー女の強かさ、
でもダイアン・レインだからできるのだろうな。

エレノア・コッポラのパーソナル・エピソード?
なんてことは考えたくもなかった。

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