フィクサー (2007)

文字数 511文字

【ヒーロー幻想に浸る】 2008/10/17



男は一流の法律事務所に長年勤め上げても出世できず汚れ仕事専門。
男につけられた名前がフィクサー。
男がギャンブルで刺激を求めるのはその結果なのか、原因なのか?
男がいじましくも老後のためを思ってはじめた事業は身内のおかげで失敗、まるまる借金だけ残る。
男は裏社会から借金返済の追い込みをかけられる。
男の家庭は当然のように崩壊。
男って生き物はこのようにダメでか弱いものなんだ。


世の中の男を等身大に見る思いだった、こいつはもしかして僕だって・・・。
こんなカッコいいダメ男を演じられる美形男優は、ジョージ・クルーニーに止めをさす。
ジョージだからこそ勘違いの親近感を覚える。
よくよく冷静になって考えれば、いい加減な主人公なんだけど、
この程度のヒーローくらいになりたいと思わせる幻想が本作の魅力なのかも。

というわけで、
ジョージを堪能するのが本シネマの正しい鑑賞の仕方だ。
プロットやエンディングのカタルシスはきわめて常識的で凡庸ですらある。
ただし、映像プロセスで駆使されているカットバックなどのサスペンス増強手練は非凡だ。
日常に潜む予想できない恐怖を上手に盛り上げてジョ-ジをしっかり援護している。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み