しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス (2016)    

文字数 583文字

【美しいカナダの空に映える夫婦愛】 2018/3/5



モード・ルイス(旧姓ドリー 1903年~1970年)、
素朴画を生涯描き続けた女性アーティスト物語。
サリー・ホーキンスがモードを、イーサン・ホークがその夫を演じる。
勝手な想像だけど、デル・トロ監督の《シャイプ・オブ・ウォーター》の便乗公開ではないか?
無論 主演のサリー・ホーキンスの人気便乗ということだけど。

今夕、アカデミー賞の発表があった。
「シェイプ・オブ・ウォーター」は作品賞、監督賞など4部門を制覇したものの、
主演女優はサリーに渡らなかった。
それでも彼女のあの衝撃的な笑みが当分忘れられないだろう。

本シネマも《笑み》という演技では強烈な印象が残った。
リウマチというハンディキャップの若い女性が、たった一人で自分の居場所をつかみ取る。
そういえば、2作品ともサリー・ホーキンスは障害者の役だった。
アカデミー話題作では怪しげなそれでも確信的な愛の笑み、
本作では芯の強い心の底から愛情あふれる笑み、
どちらも、日常では目を背けてしまうシーンのなかに在る優しさに溢れていた。

絵を描くことだけが人生ではなかったモード、
本当に愛していたのは夫のエベレット、
そんな簡単なことに驚き、心奪われる僕の方がどこか歪んでいるのだろう。
夫婦は互いに助け合い、支え合い、そして愛おしみあう。
そんな当たり前が、美しいカナダの大空に映えていた。

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