ウーマン・トーキング 私たちの選択 (2022)

文字数 787文字

【希望を持ち、考え、行動に移す】 2023/7/27


予告編情報だけなのはいつものことだったが、物語の背景が今一つ不明なままで拝見した、結局その点はシネマの中では解決されることはなかった。
それでも何のストレスを感じなかったのは、さすがアカデミー脚本賞の貫禄なのか?

2010年という僅か13年前の時代設定だけど、それにしては文明が見事に排除された映像が続く、いったい何をベースにし、そして何を訴求したいのか、悶々と しながら拝見するだけだった。
前述の予告編映像だと、尊厳と自由を徹底的に蔑ろにされた女性たちの逆襲物語だろうと勝手な思い込みをしていた。

しかし2010年のお話としては奇妙なことばかり、女性たちの服装、無教育、強靭な信仰心が次々と明らかになる。
なかでも最悪なのが男性優位社会秩序、平たく言えば暴力の支配だった。 その極致としての世代をまたぐレイプ事件であり、本シネマではその歴史の繰り返しを断ち切るために女性たちが討論する。 人間の権利の基本である生存権を勝ち取るウーマントーキング(正しくはウィメン)が厳しく熱く哀しく繰り広げられる。

ぼくが思いついたキーは「カルト宗教」、閉鎖された地区で起こるべくして起きたあり得ない悲劇だということだった。 フィクションだと言い切る自信がないのは、日本においても現在進行形で未解決の宗教災害を知っているからだ。

シネマは、男たちがいない2日間に女性たちが決断した経過を詳細に描く、全く退屈することはなかった。 なぜなら、自分たちが置かれた状況を冷静に分析し、考え、結論し、行動に移すプロセスはすべての人間に求められることだから。
諦めたり、逃げたり、屈服したり、無関心でいることの恐怖を、しっかりと心に残してくれた。

後知恵で、原作を調べてみた。
ボリビア僻地の宗教コミュニティが舞台だそうだ、なるほど脚本が秀逸だった。
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