ホワイトハンター ブラックハート (1990)

文字数 553文字

【監督の矜持】 2011/1/26



一風変わったシネマ、アカデミー賞受賞作(アフリカの女王 / 1951年)のロケーションを素材としたシネマ製作楽屋裏作品だ。

クリントが演じたのは巨匠ジョン・ヒューストン。
ヒューストンが《アフリカの女王》を撮ったのは単にアフリカで像狩りがしたかったから・・・という実話が本シネマの核となっている。
この巨匠はロケスタッフ、俳優がスタンバイしているのにもかかわらず、それを放り出して像狩りにはせ参じる豪傑で、当然製作費用のことなどは眼中にない。
ただ自分の願望を実現したいと我をはる。

僕はここに、クリントがヒューストンの姿を借りて監督たるものの矜持を再確認しているような気がした。既に13本の監督実績を持ち名誉を欲しいままにしたクリントが再度自らを律しているようだった。

その一方で、禁じえないヒューストン監督への敬意(奔放なる天才への敬意)、アフリカの自然、そこで営まれる命への限りない愛情、これらが混在した神秘的ミスマッチの面白さを感じた。
当然ながら、キャサリーン・ヘップバーンとハンフリー・ボガードのそっくりさん役者も出てきたりで、そんなマニアックな楽しみもある。

クリントにしてはスピリチャルなシネマになっている。
ジョン・ヒューストンにも学ぶ、さすが包容力あるクリントならでは。
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