アウトロー (1976)

文字数 453文字

【軸のぶれないコンセプト】 2007/7/30



クリント自身もお気に入りと公言してるウェスタンシネマ、営業的にマカロニウェスタンテイストをいくぶんトッピングしているとはいえ、クリントがウェスタンでも表現したかったテーマが明確だ。

舞台は1860年代、南北戦争後。妻子を北軍に虐殺された農民が復讐の旅に出る。
同じ人間が権力側に立つだけで弱者を虐げる不合理に抵抗し、銃を手に立ち上がる彼を、人は尊敬の念を持ってアウトロー/ジョージー・ウェイルズと呼ぶ。
いつの時代も大衆の気持ちは変わらないものだ。

南軍投降者を虐殺する北軍のユニフォームは、30年の時空を経て《硫黄島からの手紙》の海兵隊員を彷彿させる。
そこには、既にアメリカインディアン、女性、子供など、弱者への心優しい眼差しが感じられ、
このコンセプトは《許されざる者》に引き継がれ完成されることになる。
ソンドラ・ロックが清楚で輝いているが、何よりも舞台である西部の平原風景が美しい。
シネマ製作において、軸のぶれない姿勢を既に確立している。さすが、クリントならでは。
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