スイス・アーミー・マン (2016)

文字数 445文字

【良薬ですが悪趣味】 2017/9/22



「良薬口に苦し」なんてことわざも最近では当てはまらないんだな、美味しい薬ばっかりだ。
しかしこのシネマは結構生きていくうえでためになることが多かった、でも悪趣味なんだこれが。

何せ男二人、ダブル主演の片割れ一人が死体(ダニエル・ラドクリフ)、
生きている方はといえば無人島に漂流して飢え死にしそうな絶望男(ポール・ダノ)。
ラストシークエンスを除いてすべて死体と男の下品なやり取りばかり…悪趣味でしょう?

途中から、この死体が超便利な存在に変身するファンタジー、
この便利さをたとえて、まるで「スイスアーミーナイフ」のような男(死体)というわけだ。

その便利さ重宝具合は悪趣味に付き合ってシネマで見届けるしかない。
最後に現実世界に遭遇する二人だが、そのつじつま合わせは意味がないだろう、全くと言って。
こんなファンタジーのなかに僕は生きていく力を感じ取ることができたのだから。

ラストシーンで誰がファンタジーに浸っているのかわからなくなってしまう、愉快な幕切れだった。
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