Little DJ 小さな恋の物語   (2007)

文字数 499文字

【難病ものと決して軽んじることなかれ】 2008/5/7



よもやキャンディーズ / 「年下の男の子」で涙するとは思い及ばなかった。
それも、曲を聞いてではなく、その名前を聴いた瞬間に何かが堰を切ってしまった。
その一瞬前のキスシーンでその準備が周到に企てられていたと気づいたものの、後の祭り。
難病ものと決して軽んじることなかれ。

そうは言っても全編これ難病テーマ、
立ち向かう少年と家族、医療者、患者仲間との交流からは
いまさら特別なそして新鮮な驚きを引き出せているわけでもない。
ただひとつ、
本シネマが過去の同ジャンル作品と異なり際立っていたのは、
「未来への希望」という点だった。

実際のストーリー構成も過去と未来を行き交い、15年を経てある願いが未来に成就する。
難病とその死だけがテーマではない。

もうひとつの希望は、これからの日本シネマに関わるもの、
こんな歯切れのいい悲劇作品が観れるなら日本シネマの未来も捨てたものではない。
その希望の星は、主演の神木隆之介君であり、磐石を誇る松重さん、光石さんの脇パワーだ。
当然のことだが、永田監督にいちばんシネマの未来を期待したい。

思いがけず流す涙は心を洗い流してくれた。
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