ガタカ (1997)

文字数 925文字

【10年ひとむかし】 2007/4/18



「10年ひとむかし」・・とは昔の人はうまい表現をしたものですね。
1997年製作の近未来SF《ガタカ》に、きっちり現実が追いついてきそうな今日この頃です。 
作品のテーマは、「決められた運命に人類は耐えられるものなの?」という問題提起だと理解したけど・・・。
サブテーマとして:
■遺伝子管理社会
■エリート優先の格差社会
■宇宙開拓プロジェクト
■(おきまりの)警察管理国家
が、散りばめられ、SFファンならずともその息の詰まるようなスリリングな展開を楽しめる仕組みです。期待していた、ガタカの外観、インテリアなどの未来都市のエッセンスには、ほとんど心が鳴動しませんでした。
同様に、ハンディ型DNA分析器に象徴される未来ツールの数々にも、さほどの異和感も持ちえませんでした。こんな器械は、既に商品化プロセスにあるのじゃない・・・ぐらいの印象ですね。
いまや;
●現代の最先端ビジネスは「遺伝子関連」
●どの分野でもエリート世襲がもてはやされる
●格差は賃金のみならず、就業の機会、福祉面でも拡大している
●宇宙開発だけが、予想以上に足踏みしている(不思議ですけど)

10年間の世界の変化のスピードとダイナミズムにはただただ愕くばかりです。
一方、人間の可能性・・・あるいは挑戦する精神は未来でも変わることなく貴重なんだ・・・となる結論は、普遍の真実すぎて、テーマとしてのインパクト不足の不満が残ります。
主人公ビンセントの成り上がり願望、ジェロームのエリートゆえの虚無、この対比と終焉に至る友情も、幾分鼻につきましたね。

もともと、僕が未見の《ガタカ》DVDを手にした理由はイーサン・ホークを見極めたかったからでした。というのも、彼を古くから見知っているにもかかわらず、僕にはその魅力が、いまいち実感できなかったのです。
もしか名作の呼び声高い《ガタカ》になら、何かがあるのかと期待していました。
相変らずのイーサン・ホークでしたね、安心しました、結局彼のことは未知のままですけどね、これもいいか?

変わりに、ジュード・ロウのプラスチックビューティに出逢えたものでした。
この似てもいない二人がすり替わるという設定が、一番未来的で恐怖だったけどな~。
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