ナミヤ雑貨店の奇蹟 (2017)

文字数 618文字

【N・N・K (粘っこい、長い、暗い)】 2017/9/23



物語展開はファンタジーにありがちなご都合主義を排除したすっきりタイプの論理で納得、原作未読だが優れものに違いない。
シネマでは1980年、1988年、2012年の映像が錯綜するので、スーパーインポーズでカバーしていたが余計混乱しそうだ。ここは、年代を特定するアイコンを設定するなどシネマらしいソリューションがあるとナチュラルに入り込めたかもしれない。

MCは2012年の若者3人、ほとんど夜中の屋内シーンなので高級な演技プランが要求されている、これは大変だった。最後のランニングシーンでほっと救われた思いだった。
彼らをカバーするベテラン俳優もしっかりと準備されている、西田敏行さん、尾野真千子さん、小林薫さん。
ただし彼らと若者3人の絡みはなかった(目隠しの対面はあったが?)、せっかくのチャンスだったのに残念。
もっとも本シネマのテーマは手紙による悩み相談、面と向かい合うことはないのだけど。
この手紙交換のシークエンスはがぜん活気づいてくる、成程原作のパワーが生かされていたようだ。
ただ、本シネマの奇跡を構成する複数パーツの説明箇所になると途端に粘つく、長引く。
実はテーマそのものも相当に暗いお話だから、粘い、長いとの相乗効果でファンタジーのカタルシスが損なわれてしまった。

浪矢の忘れがたい若き日の暁子との恋物語を少し膨らませ、若者3人をトーンダウンすれば程よいバランスだったかな?
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み