ぼくたちと駐在さんの700日戦争 (2008)

文字数 514文字

【かって駐在さんは名士だった】 2008/9/9



意図した笑いが透けて、すっかり透けて見えてくるのもご愛嬌。
そう考えればハッピーエンディングエピソードの白々しさも我慢できる。
そう考えれば、コミック感いっぱいのストーリーそのものすら容認できる。
駐在と悪ガキたちの対立、そして友情も、
駐在の家族への悪ガキのほのかな愛情も、
悪ガキたちのステレオタイプな個性も・・・
「まっ、いいか」って思える。

唯一残るのは、「いまどきこんな駐在さん、まだいるの?」という寂しさ。
遠い昔に、彼らが存在したことは僕は知っているが、
今はどうなのよ?の想いが揺れる。

かって、駐在さんは村の三大名士だった(村長、校長、駐在)。
もしかして本ストーリーは歴史上でしか語れない時代劇の様式をまとっているのかもしれない。
いや、まんざら世迷いごとではない。

いまや人手を減らされながら、新しい犯罪に対応しなければいけない現代の警察。
悪ガキとの戦争などは駐在にとっては桃源郷のように甘酸っぱい夢の世界。
現実はというと、コミュニケーションなくして信頼は築けない。
この夢、夢に終わらせてはいけない。

この両者それぞれの反省のきっかけになるなら、
このコミックも愛嬌以上のお役立ちである。
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