クワイエットルームにようこそ (2007)

文字数 653文字

【名優の証しに気分がへこんだ】 2008/3/27



天才の創るシネマが面白いとは限らない。
・・・というのは負け惜しみに過ぎないことは重々承知していても、
肌に合わないテイストを拭い去ることができなかった

僕なんかは、
ブラックな、それも真っ黒けのジョークを否定する信条を持っている堅物でもなく、
むしろ心置きなくおおいに笑わせてもらった、
DVD一人鑑賞の利点はこういうところにもある。

いたってのんきで楽天的な性格からして本来悩み少なく、
当然ながら、主人公たち障害者に共感して胸が熱くなるということもなく、
嗜虐的にならず、加虐的悦びに浸ることなく、心から笑ってしまった。
しかし、
この楽しみは密やかに享受されるべきだと叱っている、もう一人の僕がいる。
僕の笑いはしばしば凍りつく、誰もいない部屋で振り返って周りをうかがう、
誰かに見られたのでは・・・?

おそらく、僕には強度な偏見があるはずだ。
精神異常者に対する何らかの想い、恐怖、蔑視、哀れみ、そして怒り。
そこに欠けているのは、優しさ、願い・・・なのかも?
真情を裸に曝け出させてしまうシネマを創った天才に嫉妬していた。

ありきたりな感想だけど、「笑いの底に自分が見えた」

老婆心:
うそ偽りない豪華キャスト,もったいない。
でも、本作のようなエキセントリックな役柄は役者さんにはおいしかったろう。
妻夫木さん、大竹さんは、はまりすぎ、突き詰めすぎだった。
お二人ともとも変な人に見えた(それでいいのだけど)。
名優の証しを目の当りにしたが、僕は気分がへこんだ
・・・ファンとは勝手なものだ。
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