スター・トレック BEYOND (2016)

文字数 538文字

【限りなくアジアンエンタメ】 2016/10/21




「ワイルド・スピード」からの横滑りジャスティン・リン監督シネマだから、アクションに不満などない。
お約束のスペースオペラ風味満載の宇宙戦争はともかくとして、カークたちの武闘パートはリンならではの新鮮な驚きだった。といっても、画期的なパフォーマンスがあったわけではない。

そこには極めてアジア的ニュアンスが顕著に醸し出されていた。
新加入ジェイラーは京劇または歌舞伎のメイクだ。
ジェイラーと敵役クラルとの一騎打ちは伝統的香港ムーヴィのカンフーだ。
その敵役クラルは殺戮の呪いに取り込まれた無間地獄に彷徨っていた。
アジアはハリウッドにとって広大で未来に希望の持てるマーケットだから。

今回も危機一髪でメインクルーは生き残り、めでたし めでたしなのは老舗スペースオペラの宿命ではある。
一方で、カークとスポックの熱い友情、クールな決断に代表とされるエンタープライズ艦内の人間模様はトーンダウン気味だ。
つまるところ、スタートレックらしい面倒な人間模様から脱皮してアジア的おもてなしに進んできている。

今作は、調和の取れた面白つまらない展開ではあったが、次回作に興味をつないでくれた。
その意味では、シリーズシネマとしては重要なポイントを押さえていた。
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