TAP THE LAST SHOW (2017)

文字数 649文字

【優しさと品格は監督の人柄ですかね】 2017/6/18



予告編製作スタッフの忍耐力に感謝しなければいけないだろう。
ラストショウの様子、その片鱗も予告で見せなかった思い切りのおかげで、
僕は「THE LAST SHOW」に酔いしれることができた。

この24分間の舞台はシネマ上のカットモンタージュとしても優れものだった、
月並みだが まるでTAPS劇場にいるようだった。

お恥ずかしいことに、本シネマが水谷さんの初監督作品だとは直前まで知らなかった、
そんな番宣もなかったようけど・・・。
この謙虚さは、監督のお人柄に違いない。
初監督作品らしい「初々しさ」もさることながら、
全編に感じたのは洒脱さだ、ただしそれは本人が演じた主人公ではなく、
物語の語り口においてしっとりと伝わってきた。

具体的に気配りしていたのは説明過多にならないことだと感じた,
大方の初監督作がそれで躓いているのを知っていたに違いない。
映像で語り、間合いで想像させる演出だった、これはお見事。

ストーリーは、どこから取り上げても「夢物語」でしかない。
でも、今の日本のどこに夢が残っているのだろう?
異次元空間のようなTOPS劇場のたたずまい、
タップダンスに賭ける若者たち、
彼らを応援する暖かい家族、
そこには邪悪なものは一切出てこない。

《ええ夢見ようや》、
《夢見るのはこれからだ》、 
《ええ夢見せてもろた おおきに》、  
・・・シネマ名台詞に残るだろう。

ラストシーンでの水谷さんの一言 
「マコトはな・・・いやどうでもいい」
やさしさと品格を象徴していた。

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