終わった人 (2017) 

文字数 593文字

【サングラスがよく似合う「アブナイ爺」】 2018/6/11



絶妙のタイミングで本シネマを拝見した。
作品の中で主人公の定年退職者が故郷のクラスメートと再会する大切なシーンがある。
僕もちょうど10日後に高校卒業50周年の集まりに故郷に帰る予定になっている。

「みんな終わっちゃいない、ちゃんと生きている」
そんな気持ちで旧友たちと会えるといいな。

本作予告編バイアスが酷い、
定年退職男性のダメさ加減を揶揄するばかり、
これじゃ肝心の暇している定年退職者をシネコンに足を運ばせることなどできない。
…と言いながら、劇場はしっかりとその人達で埋まっていたのは、
近年はやりの自虐性日本人らしい、われながら苦笑う。

本編は、しかし予想を超えて起伏に富んだ高齢男性 生き残り物語になっていた。
もしかして、スリラーか?という危惧もなくて一安心。
お決まりの(予告編にあった)、
時間を持て余して家族に疎んじられ、
地域社会に溶け込めず、
愚痴と理由なき憤怒にまみれる
元エリート崩れサラリーマンを舘さんが好演する。

好演しても、さほどうれしくないのが面白くひとり悦に入る
・・・舘さんらしくないって。

ところが一気に物語はワープして、バリバリのビジネスマンに変身・・・・
・・・そして心の安らぎの結末へ。

とはいっても、本シネマは身につまされることに変わりはなかった。
せめて舘さんのサングラスのように、自分の得意技を持たないとね。
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