マジック・イン・ムーンライト (2014)

文字数 455文字

【いまだ青春のウディ・アレン】 2015/4/22



ウディ・アレン作品・・・・・というだけで、なにやら構えてしまう自分を笑ってしまう。
青春の多感な折のウディ・アレン作品の衝撃が、玄冬の今に至ってトラウマになっているのだろう。

今作は売り出し中のエマ・ストーン、熟成のコリン・ファースを操ってのラブストーリーだ。
コミック領域に近いカジュアルなストーリーに安心してしまいそうだが、ウディはそう簡単には枯れてはくれそうもない。
物語は1928年、
デカダンス頂点の南仏を舞台にしている。
神を信じない孤高のマジシャン(コリン・ファース)はニーチェ読みの嫌味なおじさん。
いかさま占い師のヤンキーガール(エマ・ストーン)の本性を暴こうとする。
敵対するそんな二人が結局恋に落ちてしまうという、超アナクロニズムラブストーリーである。

しかし、他愛ない恋物語のアンダーグランドではウディの思いが妖しく蠢いている。
神の存在を信じるほうが容易いがそうはしない。論理では恋は成就しない。

確かにウディ・アレンの軸はぶれていない、いまだ健在である。
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