スター・ウォーズ/帝国の逆襲 (1980)

文字数 1,269文字

【早く第6話に会いたい】 1980/7/9



いや~、面白いの?面白くないの?たって、これくらい面白ければ、この面白さはどうして?なんて考えないくらい面白い。
最近のシネマファンは何を観ても「面白かった」or「面白くなかった」で片付けてしまう・・・というお年寄りの小言に賛同している立場だが、いや~今回の《スターウォーズ》は面白いですね~。

前作(実は第1話ではなく第4話だったなんて種明かしもあったり、ルーカス君も盛り上げてくれる)はSF娯楽大作のふれこみと、初見参のためか、きっちりとスペース・オペラ様式を守っていたのが印象的だった。
そこで出逢ったのは《2001年宇宙の旅》で実証された本格的正統特撮技をふまえたアメリカンコミックスペースオペラ、間違いなく映画史におけるエポックメイキング快挙だった。

前作は全てが驚きだったし、畏れさえ感じた。
すなわち、今まで僕らがイメージしていた安物代名詞であったスペース・オペラを、畏れの対象にまでしたルーカスの情熱、そして彼を支えたハリウッドの技術に対して、ただただ打ちのめされた想いだった。
前作は作品の内容以上に、作品出現そのものがショッキングだった。
だから、2年前は「SFの名を借りたウェスタン」とこき下ろしているが、実際、典型的な「善vs悪の戦い」、それだけの内容だった。

そして続編、
《帝国の逆襲》となるのだが、前作のスペオペ調から一歩踏み込んで、ヒロイック・ファンタジー・サーガに華麗に変身している。
その差は何かというと、もはや「SF」も「宇宙」も大して重要な条件でなくなったということだろうか。
ヒーローはルーク・スカイウォーカー。カタキ役ダス・ベーダーが父親だったなんて、でき過ぎの設定だが、これぞヒロイック・ファンタジーを標榜するための必須条件だ。
理力修行の師「ヨーダ」、黒人戦士ランド・カルリシアンなど、サーガには大勢の登場人物が当たり前、これからも増えてくるだろう特異なキャラクターの予感に、またまた心が打ち震えてくる。
事実、この感情のときめきは、幼いころ、シネマと現実世界の区別がつかなくなったときにも似ている。
そういえば、理力で宇宙艇を浮かび上がらせるなんて技は、《風小僧》や《赤銅鈴之助》に興奮した・・・あぁ~懐かしの世界だ。
ルークの切り落とされた手首がサイボーグ手術で復元されてほっとし、ハン・ソロがカーボン冬眠にされても、きっとランドが助けてくれるに違いないと期待したり・・・・こりゃ、まるで小学生だ。
ハン・ソロとレイア姫が結ばれるよう、そしてルークにも可愛い恋人ができるよう、ルーカスにお願いと励ましのお手紙を書こう・・・・・なんちゃって。

ジョン・ウィリアムスの音楽が前作の戦いのBGMからファンタジーらしくオドロオドロシイ雰囲気に変わっているのに気がついたが、肝心の特撮を賞味する余裕はまるでなかった、おそらく気づかないほどの自然なレベルに仕上がっていたのだろう。

何よりも、早く第6話に会いたい・・・「ルーク、レイア姫そしてハン・ソロの運命やいかに!」

記:1980年7月9日
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