アメリカンパスタイム 俺たちの星条旗 (2007)

文字数 869文字

【真のプライドとは ?】 2007/6/30



第二次世界大戦中、12万人もの日系アメリカ人が強制収容所に移送された歴史事実は認識していた。一方で、ドイツ、イタリア系アメリカ人には何のお咎めも無かったのに・・・・というとこが問題のエッセンスだ。
確か、このアメリカらしくもない大誤謬は、後年議会が過ちを認め、名誉回復と損害を賠償したやに聞いていた。

いまや後日談すら風化しているこの時点で、なにがシネマ製作の情熱を触発したのか?
そこに見えたのは人間のプライド、
アメリカ人と認められなくなった日系アメリカ人が自らの収容所生活の拠りどころ、存在のプライドとしてアメリカのパスタイム(娯楽)の王者であるベースボールに熱中する皮肉。
勝手な想像だけど昨年のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)でのJAPAN優勝が引き金だったように思えた。
その優勝にこだわったイチローの原日本人貌が収容所に押し込められた夥しい日系アメリカ人に重なって見えた。

こちらも忘れることの出来ない442連隊のモットー「GO FOR BROKE(当たって砕けろ)」がシネマの中で日系人野球チームを応援、鼓舞する際に唱和される。

主人公の兄も志願して442連隊で戦ったエピソードが組み込まれている。
442連隊は日系アメリカ人で編成された部隊、単純にもアメリカ人のアイデンティティ証明のために、勇猛果敢な敢闘精神で戦い続けた、今なお米陸軍史に名を残している悲しくも勇ましい伝説の戦士たちだ。

やはり、今さら・・・の思いが強いが、これも昨年話題を独占した《父親たちの星条旗》、《硫黄島からの手紙》が、蘇らせたのだろう。
442連隊の日系人兵士たちは、日本人の精神的背景を持ちながら(硫黄島・・・)、アメリカの政策に翻弄された(父親たちの・・・)。

本シネマはまさにこの2点のプライドを証明する。
ベースボールの出来る日系アメリカ人
そして、世界の悪と戦う日系戦闘部隊

ふと僕は、
メイジャーリーグで活躍する日本人選手 と 自衛隊の海外派遣を連想していた。
僕らが持たなければいけない真のプライドとは ?
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