ダ・ヴィンチ・コード (2006)

文字数 675文字

【ベストセラーの地雷】 2007/2/2



僕はベストセラー=ベストクオリティではないと信じる立場です。
またミステリー小説ファンを自認する僕として、本原作も小説としてはレベル以下の出来具合かと判断しておりました。
特にミステリ-(サスペンス)の見地からも、プロット、人物描写、アクション表現力など見るべきところは無いと感じました。
確かにキリスト教の歴史に巣食うダークサイドを掘り起こしている点、ダイイングメッセージはじめ暗号解読の妙はマニアには堪えられないかも知れないが、一般的ではないでしょう。
乱暴にまとめれば、日本人のダヴィンチ好き(モナリザ好き)に上手く付け入った小説だと思っていました。
もっともキリスト教圏で支持されたのであれば、本作品のテーマである「聖杯」への高い関心と、体制的カトリック教団への反発があったのかもしれないけど、僕の知識の及ぶ範囲でもないようです。

さて、とはいいながら、シネマはどうなるのかという興味はかえって高まり、
■このマニアックな謎解きを映像でどう処理するんだろう?
■トム・ハンクスは最近不発だけど大丈夫か?
■歴史上の謎解きはどう説明するのか?
■舞台となる名所での撮影は楽しみだ・・・

などと、実はほんの少しシネマには期待をしておりました。
結果としては原作どおりの出来具合になっておりました。
まあ、失敗作でしょう。
原作のしまりの無い展開がそのまま映画になっていました。
これはベストセラー映画化の罠、地雷でしょう。
いまさら脚色する危険を誰も冒したがらないようです。

見事、小説のテイストをそのまま映し出したシネマでした、アーメン。
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