レプリカズ (2017)

文字数 590文字

【未来は狂気か それとも・・・?】 2019/5/17



キアヌ・リーブス出演というブランディングで世間に出てこれたシネマ・・といっては言い過ぎかな。物語の肝は、事故死した家族4人を再生する天才科学者、そしてそこから生じる未経験のサスペンス。

肉体はクローン製法、意識はデータの転写というのも今更ながらのシネマ的ソリューションだった。この種のSFシネマは昔からの定番ですらあった。
なぜ、キアヌ・リーヴスが手垢塗れのSFなのか?  大いに気になったところだった。

サスペンスネタバレをするつもりはないが、本シネマには人類の未来への皮肉な警鐘がある、
この点においてキアヌが出演した理由があるのかもしれない。
それはグレードアップした人類の具体的な姿だった。
一部の優秀な頭脳、または資産家のみが新しい人類になるという未来予想でもある。
個人の自由・平等はもはや必要とされない社会への移行、
そんな未知のレベルを実現するのは生化学アルゴリズムとコンピュータアルゴリズム。
「ホモ・デウス (ユヴァル・ノア・ハラリ)」の予言を、垣間見てしまった。

シネマの出来具合としては、前半の退屈・窮屈を我慢すれば後半は一気に愉しめる。
もっとも、アルゴリズムだらけの辻褄が合わない点は無視すること、それはSFシネマ鑑賞作法でもあるから。
全編息もつかせぬ…というわけにいかないところにキアヌ・ワンマンシネマの限界があった。
ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み