海よりもまだ深く (2016)

文字数 590文字

【究極の是枝シネマでした】 2016/5/21



原案・監督・脚本・編集で魅せてくれた是枝ワールド、満喫しました。
予断のない中、「歩いても・・・」にあったような家族のありかたを弄っているのかな、
とちょっと怖い気持ちもありました。
中身は壊れかけた家族物語が大部分ですが、
母(希林さん)の息子(阿部さん)への濃厚な愛情に強くフォーカスされています。
そして、ハッピーではないのですが、心が元気になる物語でした。

希林さんは、今作でも近年の異常なパワーを放っており、
年の功とはいえ阿部さんはじめメインキャストを総なめしていました。
そのくらい、希林さんの役は重く、出番も多く、台詞も沢山あります。
是枝監督からの老いへの提言を含めた人生哲学を、
普通のお婆さん(希林さん)にしゃべらせています:
・・・何かをあきらめなければ幸せになれない
・・・過去や将来にこだわらないで今を楽しみましょう
・・・親の老い方、死に方を見ていなさい

一方で、シーンのディーテイルには凝り固まっています。
希林さんの台所姿を見ているだけでも飽きることなく愉しめました。
なぜか、カルピスのシャーベットは食べ方だけでなく作り方まで映像にしています。

相変わらず、子供を上手に指導しています。
是枝シネマで子供を眺めるのは僕のとっておきのお楽しみなのです。
吉澤太陽君 しっかりと記憶しましたよ。

それにしても、おそるべし円熟度合い 希林さん。

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