フリー・ファイヤー (2016)

文字数 579文字

【言い訳は聞きたくなかった】 2017/5/2



強烈な個性というか独特の癖のある役者がずらりと揃って、
加えてスコセッシの製作総指揮(?)という魅力にはなかなか抗しきれないところがある。

案の定、南アフリカ出身の悪党をコプリーが騒々しく演じれば、
キリアン・マーフィーは男前クールな北アイルランド戦士をそのまんま醸し出す。
アーミー・ハマーがスタイリッシュに怪しい仲介人を演じ、
ブリー・ラーソンはそれに輪をかけた正体不明のチョイ太悪女を競演する。
ただし、これは廃倉庫の中での銃撃戦に限定しての各演技者の競演でもある。

なんと、シネマ冒頭に監督からの「言い訳」が陳述される。
人間は現実の銃撃戦ではなかなか即死するすることなくしぶとく生き延び長らえるもので、
本作はそれを描くのだ・・・・との言い訳。

シネマはその通りの展開となる。
不法銃取引の最中の些細なトラブルからの銃撃戦、
そしてそこに割って入る第三グループによる狙撃、
もうほとんど無秩序に撃たれ、死なず、生き延びる。

ある意味では言い訳通りの正直な銃撃戦だ、まず正確に的に当たらない、
正式な訓練を受けていない素人の撃ち合いだから仕方がない。
シネマはこの間の登場人物各々の個性豊かな行動、
発言を開陳する面白さが目的だったようだが、
どうしても閉塞感と単調さに僕は疲れてしまう。

誰が一番悪運が強いか?
それだけの興味はちと辛かった。

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