マッチポイント (2005)

文字数 779文字

【大なる功績を認め表彰する次第です】 2007/9/24



女性からも色っぽいとお褒めのスカーレットを見たく邪心満々で拝見しました。
なにに感心したかといえば、スカーレット演じるノラがあまりにリアルな女性だったこと。
「色っぽい」というより、ずばり「怖可愛い」・・・と受け取りました。

いかに女性ファンの印象と、男性ファンのそれとの隔たりが大きいか、人ごとのように目の当たりにしました。
もはや、クリスのように結婚を成り上がりのきっかけとする必要も無い我身からすれば、クリスはずばり、くず男。しかし、人生には各種のバリエーション、善なるものから極悪までが用意されてるから面白い。
クリスにも言い分はあろう、これをして的武士の情けというつもりは毛頭も無いが。

どうか、女性ファンの方々はお怒りを顕にしないで欲しい。
クリスのように、くず男でありながら、修羅場を生き抜けた野郎が世間でいうところの成功者である場合が多い。
ここに至ってタイトル:マッチポイントの意味が僕にはわかるような気がする・・・?
いや、それでもくず男が許せないことに変わりはない。

そうそう、ここはスカーレットのお話でしたね。
英国エスタブリッシュメントに代表される、権力体制側の罪を、対比させ断罪したスカーレット。同じ被権力サイドでありながら、なり上がり志向のクリスに人間味を付加させたスカーレット。
女としての本能に生きる壮絶さを思い出させてくれたスカーレット。

スカーレット・ヨハンセン、
ここにあなたの大なる功績を認め表彰する次第です。

おっと、忘れてはいけないウッディ・アレン、
あなたも、いつものように美少女の似非清らかさに惑うことなく、
人間の醜悪さとそれを超越する悪運を描いてみせてくれました。
いくぶんどころか、かなりのパワーダウンだとは察しますが、
毒の薄いシネマもたまにはいいものです、
よって表彰する次第です。
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