LOVEHOTELに於ける情事とPLANの涯て (2018) 

文字数 788文字

【カメラを止めない理由(わけ)】 2019/1/24



完全ネタバレ的タイトルなんだけれども、最初これだけでは内容の予測はできそうもない。
僕はといえば、いつもの様に事前情報なしで拝見させていただく。

直近の宅間監督・脚本シネマ「あいあい傘」とは一変した怪しいイントロから始まる。
舞台はラブホテルの一室だけ、そこにそっと置かれるビデオカメラが画像を記録し始める。
シネマは、このビデオカメラに映りこむ物語に終始する。
登場人物(このラブホテルの部屋に入ってくる)は正確には6人、
そのうち4人がメインキャスト。

この4人の情事、暴力、暴言、駆け引きの数々を紹介するつもりはない、
ぜひ本編で確認してほしい。

当初から、俳優陣がぎこちない。
隠しカメラからのぞき見する形式だからかな…と思ってみたりしたが、やはり怪しい。
はて、こんな感覚になったシネマが最近あったな?
そう、爆発的ブレイクした、あの「カメラを止めるな」の前半パートと似ている。
そういえば、本作の隠しカメラは無造作にその位置を置き換えられるが、決して止まらない。

もしかして・・・・・この先にある結末が想像できるような気持になってくる。
もしかして・・・・・本シネマも二重構造になっているのだろうか?
もしかして・・・・・僕はまんまと騙されているのだろうか?
もしかして・・・・・「カメラを止めるな」に対抗した脚本優先のシネマなのか?

妄想はどんどん膨らんでいく。
密室で繰り広げられる非日常物語、
どこか空虚な趣を隠そうともしない不思議さに僕は虜になってしまう。

ネタバレぎりぎりだけど、
本シネマは「カメラを止めるな」のような後半の解決編はない。
その代わりに壮絶なカタストロフィ―がエンディングロールに用意されている。
それを神の思し召しと考えるか、裏切りの代償と考えるか。
この衝撃に僕は思わず笑みを浮かべてしまう…
ケセラセラ、なるようにしかならない。
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