リトル・ロマンス (1979) 

文字数 737文字

【LOVE ダイアン・レイン】 1979/7/30



え~、なんと申しましょうか・・・
ジョージ・ロイ・ヒルのお伽噺とでも言えばいいのでしょうか?
少年・少女カップルが生意気にも恋に陥る
・・というストーリーならいままでにもたくさんあったのですが、
本作はそれほど深刻なものではないのです。
なぜなら、ふたりともとても頭がよく(少女はIQ167だ!)、
大人のまねをして歓ぶほどの低レベルではないからです。

その代わりに何をしたかというと、
夕暮れのヴェニスで、サンマルコ寺院の鐘の音を聞きながら
「溜息橋」の下でキスをしたのです。
何だ、やはり子供の考えることじゃないかと思われる方は、
ご自分のIQが少々足りないと自覚した方がよろしいかと。

彼らはふたりの愛を成就させるため、
ひとつの試練に耐えることにしたのです。
そのためには、知力のみならず腕力も総動員します。
その行為の純粋さは、
もしかしたら「愛とは云々・・・」といっているばかりの大人達には
もう失われたものなのかも知れません。

もちろんIQが高いといっても、子供はやはり子供なのですが、
どこか心の隅に二人の騒動が引っかかるのを感じます。
ジョ-ジ・ロイ・ヒルは決して力まずにこの大切なものを教えてくれたみたいです。
主役のローレン(ダイアン・レイン)が素晴らしい。
あの口元は後数年でどんなに魅力的になることでしょう!
脇を固めた共演人も素晴らしい。
ローレンス・オリヴィエがロイ・ヒルの代弁者として
アナクロのキューピッド役で奮闘し、ふたりを見守っていましたね。
サリー・ケラーマン、アーサー・ヒルもこの夢のロマンスを盛り上げてくれました。
深刻になることなく、ふたりの恋人から教わったこと。

それは「昔はみんな、愛の偉大さを信じていたね」ってことのようでした。



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