トールキン 旅のはじまり (2019)

文字数 510文字

【偉大なる作者に隠された青春の輝き】 2019/8/30



とても月並みな感想から述べると・・・
「もう一度、ロードオブザリング、ホビットを観直したい」。
そうなんだ、僕はただただシネマの世界で彼の想いを知るだけだった。

彼が仲間たちとともに伝えたかったことは・・・
冒険する心、挑戦する勇気、そして仲間を大切にする愛。
物語は彼が孤児になるところからスタートし、第一次世界大戦で負傷し帰還するまで、
まさに波乱万丈の青春の一コマを瑞々しい映像とテンポ良い展開で描いていく。
トールキンの並外れた才能に嫉妬し怒りながらも仲間として迎え入れる英国上流社会、
そこには、爵位は自分の力で獲得するものであるという騎士物語のプリミティブな精神が流れている。

海賊でも、歌手でも、サッカー選手でも、彼らが有能であれば受け入れる英国魂をいまさらに目の当たりにした。
これも、もしかしてEU離脱を契機とした英国応援シネマなのだろうか。
ノブリス・オブリージュのもと多くの有能な若者を失った後に残された、トールキン。
トールキンの作品は彼ら高貴な死への哀悼であり未来への希望であったに違いない。

ひとりの作者を今の世によみがえらせるシネマ、
やはりシネマは素晴らしい。

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