ボクは坊さん。 (2015)

文字数 543文字

【仏教にも奇跡があります】 2015/10/28



僧侶の日常を描いた仏教シネマは初体験だった。
シネマの目論見としては、仏教の普及以前、その生き残りをかけた販促だったに違いない。
できれば「おくりびと」効果のような仏教起死回生を期待しているのだろう。
さほどに、現状は仏教界には厳しい。

地方創生、正しくは地方再生が叫ばれる中で、
日本全体の人口減少は仏教の最大の危機であろう。
地方における、檀家組織はその絶対数減少の直中にいる。
本シネマにおいても檀家総代会の運営状況が紹介されているが、
そこは老人社会の典型的現実がある。
檀家総代が機能しないお寺は今や数知れないことだろう。

本シネマは、仏教界再生の求心力を「住職」の人柄に求めている。
あまっさえ弘法大師の行動力を現代の若い僧侶に期待している。
その意味では本シネマは仏教界、それも真言宗内、
それも四国の宗教関係者だけの自己満足に終わってはいけない。

宗教の力は計り知れない。
今のような時代にこそ、人は自己の心の中の無限の可能性と、
生きることの意味を考えることが肝要だろう。

そのアシストができる仏教、仏教は日本の長い歴史の中で大和民族独自の進化を遂げてきた。
シネマにあったような「奇跡」は何もキリスト教の特許ではない。
念じるところに、人の道は開けてくる。

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