30年後の同窓会 (2017) 

文字数 551文字

【海兵魂よ 永遠なれ!】 2018/6/12



邦題「30年後の同窓会」はミスリードの恐れがある。
ベトナム戦争から脈々と続くアメリカの侵略戦争の矛盾を鋭く批判しながら、
一方では海兵の強い絆に戻ってしまう男たちの哀しみと再生の物語だった。

超辛口なのである。
「アメリカは侵略した住民から好かれたいと思う唯一の国」、
「政府が名誉をたたえ、大統領が遺憾に思うことなど くそくらえ」
「ベトナム、イラクの戦争の本当の目的は何だったのか?」
こんなセリフが始終飛び交う団塊の世代3人のロードムーヴィー。

妻が病死し、続いて一人息子がイラクで戦死したドク(スティーブ・カレル)、
戦友だった二人を訪ねて、死体引き取りの付き添いを依頼するところからシネマは始まる。
この引き取り過程で、戦死の真相が隠蔽されたことを知った3人が、久しぶりに「切れる」。
2003年、イラク戦争の時代背景を思い出しながら、
僕は遠くベトナム戦争にまで思いを馳せる。
二十歳前後の、僕と同世代の若者が大勢命を落としたことを。

「人が戦争をつくり、戦争が人をつくる」
大儀の不明な戦争であっても、闘いのなかで生まれた友情は堅い。
エンディングの作法は、建国以来戦争を絶やしていないアメリカらしかった。

人懐っこい笑顔の内に秘めたタフな根性、アメリカ海兵たちに幸せあれ。
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