追憶の森 (2015)

文字数 460文字

【パーフェクト 夫婦愛】 2016/4/29



事前情報からは、二人のおじさんが富士の樹海で一緒に迷ってしまうという、
僕の理解だった。
富士山麓、青木ヶ原を舞台にするなんて暗くて怖そうだったが、
お気に入りのふたりが競演するのだから致し方ない。

そう、これはマシューと謙さんの二人芝居を観るのが第一のテーマだ。
そこに絡むのが、ナオミさん。
今シネマでのナオミさんは、しかし、妖艶でも意志強固でもない。
夫(マシュー)が樹海にいる理由にしか過ぎないと予想していた。
だから、二人のおじさんの脱出劇がどんな形で終結するのかは予見できず、
大きな楽しみになっていた。

しかし、
途中から、物語はスピリッチュアルな展開になる。
単純に日本文化への誤解または憧憬かなと訝ったが、
「煉獄」というキーワードが出てきたので先が読めた。
そう言えば、シーンや台詞の中にも重要なカギがいたるところに隠されていた。
二人のおじさんシネマは、実は奥の深いミステリーだった。

脇役だとばかり思っていたナオミさんがとんでもない存在になってくる。
ガス・ヴァン・サント 久々の快作。

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