カンパニー・オブ・ヒーローズ バルジの戦い (2013)

文字数 829文字

【気軽でいいね、荒唐無稽戦争シネマも】 2013/7/15



荒唐無稽という言葉を捧げたいシネマだった。
このくらいテーマにリアリティがないと観るほうも「どうにでもしてちょうだいっ」って感情になってしまう。それを楽しむのが「荒唐無稽」の神髄なのかとも思ったりした。

「バルジ大作戦」…という名作がある。
カンパニーオブヒーローズ…という響きは「バンドオブブラザース」に近い(勝手にそう思っている)。という論法に加えてトム・サイズモアが出演しているので大外れはないとも期待していた。

サイズモアといえば「プライベート・ライアン」以来、戦争巨編での古参兵役が目立つ。
「ブラックホークダウン」、「パール・ハーバー」ともにおいしい役柄だった記憶がある。
そして、今シネマでも中隊を全滅させて降格になった古参兵という怪しい役作り、老体にまさに鞭打ってアクションしている。

しかし、バルジ作戦は冒頭の壮絶な戦闘であっという間に終了。
クリスマスのハムを前線に届けに行ってタイガー戦車に遭遇するのも、
主人公(サイズモアではなく)の若い兵士が凄腕のスナイパーだったりするのも、
危機一髪で友軍機が救助してくれたりするのも、プライベートライアン風味だった。

それは、だから、サイズモアを起用した以上悪いことではない。
かなりグロテスクな銃撃、砲撃シーンもサービス過剰気味だけど期待通りだった。
ところが、
後半の原爆開発の博士をドイツ軍基地から奪還するあたりから一気に薄っぺらくなってしまう。
バルジの戦闘から「スパイ大作戦」に早変わりである。
脱走捕虜の英空軍、ソビエト兵士も絡まってきて、スパイ味の強化がされるが、さすがにこのあたりで息切れしてしまう、シネマも観る僕も。

ハッピーエンディング、博士の娘との再会のシーンは「スターリングラード」の感動的野戦病院のシーンには遠く及ぶはずもない。

それでも「戦争アクション」シネマが好きな僕には、一服のひと時(100分)だった。
荒唐無稽戦争アクションは気楽でいい。
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