96時間/リベンジ (2012)

文字数 684文字

【パパは持ってる「殺しのライセンス」】 2013/1/14



とうとう続編誕生である。
《パパ・ブライアンは殺しの番号》とでも呼べばいいのだろうか。
なにせ、家族の脅威には真剣に怒り、殺してしまう・・・この「殺しのライセンスが目に入らぬか!」ってな具合だ。
冷戦も終了し、ビン・ラディンもアカデミー賞のネタになるくらいの平和な時代なのに、このパパは家族を巻き込んで悪者を殺しまくる。
1作目は、このアナクロニズムと、熟年オヤジの娘愛とのミスマッチが意外と純粋なエンドルフィンを発生したようで、けっこう楽しめたものだ。
単純に解き明かせば《悪い奴らはぶっ殺せ》のゲーム感覚に尽きるところだった。

ところがこの続編は、「悪者」という記号にしか過ぎなかった殺されし者達の怨念が反撃してくる。殺された記号たちの父親・兄弟たちが暗殺集団となって復讐してくる。
そこにはリアルな家族愛同士が衝突して憎悪と殺戮を生み出す、僕はもはやゲームを楽しむ傍観者ではいられない。
まして、復讐するものはアルバニアの裏社会、バルカンの血を血で洗う抗争を戦い抜いてきたつわものだと特定される。
いみじくも、シネマラストシーンで復讐の輪を閉じる和解提案が反故にされるのも彼らの歴史からすれば至極当然なような気もする。

こんな血の結びつきを大切にする連中との戦いに巻き込まれた、ミルズ一家。
「アハハ、強い親父だぜぃ~」と笑っている場合ではないような気がして仕方が無かった。
元妻も娘も「パパ強くてステキ」だけではすまないでしょう。
次の作品までには家族みんな、もっともっと殺しのテクニックをスキルアップしておかなくちゃ~、ねっ。
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