ジュピター (2015)

文字数 631文字

【ロスチャイルド 真っ青!】 2015/3/30



地球がシカゴで清掃業をファミリービジネスとするロシア移民のお姐さんに掌握されていると知ったら、がっかりする財閥がたくさんいることだろう。

この皮肉な結論はひとつのカタルシスなのだが、そこに至るプロットは、SF業界で特別に斬新ということもない。まして、「不老長寿の錬金術」というキーワードは人類の永遠の夢・・・・
またぞろ?「あんたも好きね~」の思いがした。

DNAが王室継承の必須条件という決まり事も今どき物語では説得力もなし。
その物語展開そのものに繰り返し作法過多の危うさが顕著だった。
一歩ゆずって、プリミティブなスペースオペラなんだからと笑ってごまかすには、(隠された)収穫の真実がエグイ。
なによりも、なによりも
期待した映像なのだが、心揺るがされるところがなかったのが意外だった。
この分野は競合が激しく、変化のスピードも予想できない、ここで勝負したかったのだろうが、他作品を抜き去ることはできなかったようだ。

というわけなら、駄目シネマになってしまうのだがお二人の役者さんを観るだけで愉快だったので、上記欠陥は全部赦してしまう。
「フォックス・キャッチャー」の白痴的盲従マッチョを継承した猿人間、テイタム・チャニング、
「博士と彼女のセオリー」の宇宙真理探究のインテリジェンスからかけ離れたサイコマザコンで驚かせてくれたエディ・レッドメイン。

しかし、これってアカデミー賞波及効果というだけのこともしっかりと理解しておこう。
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