小さな命が呼ぶとき (2010)

文字数 777文字

【ビジネスシネマとしてもOK】 2010/5/23



難病ストーリーだし、お約束の実話だ。
日本題名もその路線を狙ってるようだが、
僕の感想はその目論見からちょっと外れることになる。

子供が難病で、文字通りのデッドラインが迫る中で父親が取ったアクション。
これが原題の意味する《とんでもない策》ということになる。

そう、これはビジネスシネマとしても大変面白く、はたまた参考になる。
ビジネスの難局にあって、冗談で自らを叱咤激励する際に僕はよく、
「命までとられるわけじゃないんだから、思いっきりぶつかれ」と自分を言い聞かせたものだ。
ところがこのシネマではそれは冗談などではない。
シネマで描かれるこのビジネスケースでは、その命がかかっている、
それも愛する子供たちの大切な命が。

父(ブレンダ・フレイザー)は大企業の幹部ポストを捨て難病治療薬開発を起業する。
大学教授(ハリソン・フォード)はその父に賛同し、
気ままな研究環境を捨てて不得意な営利活動に身を置こうと努力する。
実はこの二人、二人とも創薬事業には全くのアマチュアだった。
そのアマチュアの男達をここまで熱く追い込んだものとは何か?

利他することができるのは人間だけの輝かしい長所
・・・などという綺麗ごとをあっさりと覆す父の深い家族愛。
でも、
決して子供を盲愛するのではないことに僕は気付き、すこし狼狽えてしまう。
我が子の生きる意志を、強い気持ちを理解したとき
父親は人類すべてを利することの意味を悟る。
こんなにも強力なビジネスマインドはない、まさに敵なしなのかもしれない。

生きること、働くこと、家族を守ること
それはつまるところ 人間であることだった。

老婆心:
インディアナ・ジョ-ンズ と リック・オコンネルが
いつか共演する日を楽しみにしていたが、
その場所は砂漠でもジャングルでもなく多国籍コングロマリットとは
・・・意外だったな。

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