ノースマン 導かれし復讐者  (2021)

文字数 644文字

【今も北の国の戦いは続く】 2023/1/23



西洋チャンバラが大好きなのだが、近頃はとんとお目にかかれていない。
本作も近所のシネコンでは公開予定がない、少し足を伸ばして拝見したくらいだ。

タイトル(ノースマン)のとおり北欧領主国家の内紛から物語は始まり、虐殺された父親(王)の仇討ちと母親(王妃)奪還を誓う王子アムレット(ハムレット?)の復讐物語になっている。
運命に弄ばれる主役の王子を演じた アレキサンダー・スカルスガルトは出身国スウェーデンにちなんだキャスティングなのだろう、北欧の神秘と力強さを一身に表現しているところは、同じ裸で勝負した「ターザンreborn(2026)」より間違いなくしっくりと馴染んでいた。

叔父に父を殺され母を奪われ孤児として強盗団で暴力を磨き上げる、そして奴隷に化けて仇のもとに潜入するという波乱万丈に殺戮と暴力が セットになっていて肉弾戦闘の醍醐味を堪能できるアクションに加えて、かたき討ちを導く魔女・闇の呪いなどファンタジー要素もたっぷりと愉しみ、仇の周りの武力を緻密に削いでいくミステリー要素も愉しみ、家族への愛憎と復讐の誓いの間で葛藤する主人公に寄り添い、最後にはお決まりの仇のとの一騎打ちも豪華に用意されている。
何でもありというシェイクスピアもどきカジュアルさはニコール・キッドマン、イーサン・ホークらの助演人、そしてなにより暗い北欧の景観のおかげで重厚なシネマになった。

北の国の戦士たち、今この時も戦い続けていることを想うと、胸が痛んだ。
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